医師のくせに・・・

「話があるから来てくれ!」と、主治医でもある先輩から呼び出しを受け三重県の松坂市に出かけた。(伊勢湾の魚や松坂牛が食べられるかな?)なんて思いながら新幹線の乗った。

某病院に着いた。先輩の勤務先である。

受付で先輩の奥さんに迎えられた。(何となく様子が変である)

病室に入るなり「お~来たか」と、ベットの上で胡坐をかいた先輩が笑った。
奥さんが静かに出て行った。(いやな雰囲気だ・・・)

…話を端折る。

「お前より先に迎えが来てしまった。そこで頼みがある。聞いてくれるか?」
ー聞かざるを得ないようだけど…。なんですか?

「俺の後始末をしてくれ。女房一人では何も出来なから。お前確か冠婚葬祭は出ないらしいけど、取り仕切ってくれ頼むよ。取り仕切るなら問題ないだろう?」

…端折る。

先輩は肝がんで先がなかった。
渋々了承した。
その日先輩は帰宅した。私も同行して、夜は鍋をつつきながらイッパイやった。
「お前何故医者にならなかった?。勿体なかったな・・・」
ー・・・。
「卒業したんだろ?。俺のところに来ればよかったのに…まったく馬鹿な奴だよ。お前は!」
ー・・・。
「設計に花屋だって?.まったくの畑違いじゃないか。俺のとこに来ればいいのに」
―帰国2年後くらいから心理学を再挑戦して適当にカウンセリングもしています。
「今は? 」
―無職です。カウンセリングはボランティアで・・・。

・・・端折る。

「山か?。海か?。気楽でいいな~。お前が羨ましよ。知り合ったころと変わってないな」
ー・・・。
「お前が一番気に入ってる場所に俺の遺灰をばら撒いてくれないか?。あいつ(妻)には言ってあるから。頼むな!」
ーはい!


先輩の要望で6日間付き合った。高校からの付き合いで30年以上になる。良くも悪くも知人の中では一番古い。


・・・端折る。


「何故医者にならなかった?」
―見送るのが嫌だった。血も苦手だし・・・


ー自分に引導渡して迎えを只待つのも良いが、どうせなら、治らないが、未だ10年は大丈夫だと思ってみるのも、本気で思ったら多少は叶うかもしれません。暗示は思い込みと自信です。先輩も自分で暇潰しに試してください。


取り留めのない話を、禁じられている酒を飲みながら奥さんを交えて3人でダラダラと話し続けた。先輩が病院に戻ったのを機に新幹線に乗った。

暗くなった車窓に自分の顔がオヤジの顔と重なって映って見えた。三重からの連絡が無いことを願っている。



帰宅した。明日からまた、何時ものわたしです。
   
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こんばんは。

初コメ失礼します。

こういう依頼って本当にあるのですね。
失礼なコメントかもしれませんが、素直にそう感じました。

こういうことって、その先輩にもいろいろ(もっと近しい)お知り合いがおられる中で、一番信頼に足る人を選ばれたはずなのかなと思いますので、そう考えるとかなり重い依頼ですよね。

それと、最後の「思い込み」と「自信」という言葉に妙に納得いたしました。

三重からの連絡が無い事を願っております。
2017/03/14 20:13 |節約ドットコム #-URL[ 編集 ]

Re: こんばんは。

> 初コメ失礼します。
>
> こういう依頼って本当にあるのですね。
> 失礼なコメントかもしれませんが、素直にそう感じました。
>
> こういうことって、その先輩にもいろいろ(もっと近しい)お知り合いがおられる中で、一番信頼に足る人を選ばれたはずなのかなと思いますので、そう考えるとかなり重い依頼ですよね。
>
> それと、最後の「思い込み」と「自信」という言葉に妙に納得いたしました。
>
> 三重からの連絡が無い事を願っております。
2017/03/14 20:57 |早川 #-URL[ 編集 ]

Re: Re: こんばんは。

> > 初コメ失礼します。
> >
> > こういう依頼って本当にあるのですね。
> > 失礼なコメントかもしれませんが、素直にそう感じました。
> >
> > こういうことって、その先輩にもいろいろ(もっと近しい)お知り合いがおられる中で、一番信頼に足る人を選ばれたはずなのかなと思いますので、そう考えるとかなり重い依頼ですよね。
> >
> > それと、最後の「思い込み」と「自信」という言葉に妙に納得いたしました。
> >
> > 三重からの連絡が無い事を願っております。

今晩は。いつもありがとうございます。何とも言い難い気分です。携帯が鳴るたびにドキッとしていますが、当人が自分の余命を判断したのに比べたら・・・と、思っています。お仕事頑張ってください。
2017/03/14 21:09 |早川 #-URL[ 編集 ]

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2017/03/16 18:58 | #[ 編集 ]

Re: タイトルなし

> こんばんは、「酒の底」のdon-chiです。
>
> 去年だったかなあ、ふつうに元気な後期高齢者の母に言われました。
> 「あなたに送ってもらいたいの」「家族葬がいいわ」と。
> 人間は全員100%いずれ死ぬ、と頭では分かっていても、
> いざその時が来たら、あたしはどうなるのだろうか、と不安です。
> どうしようもなく淋しくもあるけど、
> 〝送る役目〟の運命を割り振られたのであるなら、
> 受け入れることでまっとうしたいと思います。でも、つらいの。
>
> こんなときに、自分のことだけ話して、ごめんなさい。
> don-chiは馬鹿でアル依存だから。ごめんなさい。
>
> あたしのパキラは天井につっかえたままです。

コメントありがとうございます。
とても嬉しく思っています。

私のパキラは水ぶくれになり枯れましたが、種から発芽したものが30㎝程になりました。

何時かの機会が有ったら飲みたいものですね。宜しくお願いします。
2017/03/17 02:53 |早川 #-URL[ 編集 ]

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